初めて潜水艦を見たのは、'95の3月はじめ
桜島から鹿児島に渡るフェリーでした。
写真から想像していたよりも、ずっと大きくて、ヌメッとした感じ。

とても船には見えない外観にビックリした記憶があります。

すっかり潜水艦のことを忘れていた'03年10月。
ドイツのハンブルグで、岸壁の道路わきに接岸している潜水艦が見えました。

聞くと、潜水艦資料館で、内部を公開しているとの事。
大雨で寒かったのですが、行ってきました

ハンブルグ駅から車で15分ぐらい走った、街外れの岸壁。
道路際に大きな駐車場と潜水艦。ほとんど人はいません。
迷彩色に塗られたベンツが。。。好きな人は好きなんです。。


小さなプレハブでチケットを買いました。7.5ユーロ=900円

パンフレットによると、
この潜水艦、1976年製(お、同じ年!)のロシア製の潜水艦。
ロシア軍で廃船になったのを買い付けて、ここまで引っ張って来たらしい。
って事は、80年代の冷戦真っ只中を実際に任務として動き回っていた本物!

旧型とはいえ、絶対に秘密にしなくてはいけない潜水艦を西側のドイツに売るとは
東西冷戦も昔の話なのね。(というか、そんなに財政厳しいのか?ロシア軍!)


接岸しているとはいえ、丸い胴体の潜水艦。
潜水艦の出入口(艦の一番上)と岸の間は、結構空いています。


中に入るためにはタラップで渡ります。強風&濡れた鉄板なので怖い。


入り口部分から、後方を見る。
全長92mの黒光りする、鉄の塊。


上には、前の入り口(今、立っている所)
操舵室?のある、真ん中部分の大きな出っ張り
後ろの出入り口
と、3箇所の出っ張りがある以外は、丸い筒状

入り口を入ると、螺旋階段で下に降りる。
重油系の船特有のニオイが充満している


潜水艦の前の方から入った。
ここより前方は、「魚雷置き場」で立ち入り禁止(というか歩くスペースが無い)
ここから、後ろに向かって見学できる

細い廊下に人が集まっていて、説明を聞いている。
5分前に出発した「無料ガイドツアー」 せっかく無料なのに、ドイツ語で意味不明
狭い通路なので先に行くことも出来ずウロウロ。。。

参加者の一人が気づいてくれて、みんなに声をかけて通してくれた。
ダンケ!
この潜水艦では、70人以上が生活をしていた。「渋滞」が起きるだろうな

潜水艦の中は、グォングォンと、音が響いている。エンジンかかっているのか?



薄暗くて、油臭くて、低音が響いていて、、、
そして、行く手を遮るように廊下に並ぶ、計器とパイプ。
ツアーを追い抜かしてから誰にも会わない。。なんだか薄気味悪い。
自然と早足になる。本物が持つ、”畏怖”か?
(展示館だと分かっていても、他人の潜水艦に極秘潜入して入る気分)

お、ハッチだ!


映画なんかで見かけるけど、思っていたより大きい。
でも、いざ通り抜けるとなると、これがナカナカ大変。。。
頭から入ってしまったら、ハイハイ状態で通過する羽目に。。。

上にある銀色のバーを両手でつかんで、両足同時に滑り込むように通るのが正解!

ドアは、その水圧に耐えられるよう、かなり分厚くて重たい。
水深500mまで潜れたと言うこの潜水艦。壁も相当厚いんだろうなぁ

急な階段(というかハシゴ)を下りる。
ゆれる狭い船内、階段から転げ落ちる人も多かったでしょう。。


すべり棒を発見!でも、使用禁止。残念。。


やはり、降りる時は、この方が便利だよな。
ハシゴは、登り用か?
(登る時は手も使うので落ちる危険が少ないしね)

ハッチをくぐると、廊下に計器の無い所に出た。
乗組員室かな?


わぁーー!ああービックリした。。。
ほんとに飛び上がるぐらいビックリした。。。
ここで寝てました。っていう展示ね。。
このマネキン気持ち悪いな。。

シャワー&トイレ
狭いです。でも、シャワーがあるだけましか。。
トイレも、かなり汚れています。。。

調理場もありました。
何を食べていたんでしょう?


とにかく、いたるところに計器が付いている。

どれが何で、どれをどうすると、どうなるか?混乱しないのかな?
とにかく、壁一面計器。
上を見ると、天井近くまでメーターが並ぶ。


場所によっては、錆びているところも多数。。。


お、これは操縦桿!

外を見ずに運転する乗り物なので
運転席は、どこでも良いんだな。真ん中の辺りにありました。

下の赤青の棒がアクセル&ブレーキ&バックらしい。


また、ハッチをくぐる。何個目?


エンジンルームに来ました。って事は、後ろの方だな
どれぐらいの距離を歩いたのか、今どの辺なのか全然分からん。
3次元、巨大迷路の気分

ベンチのように見える細長い箱がエンジン。

ディーゼルエンジン、全部で4機。18000馬力!


ディーゼル・エレクトリックエンジンって書いてある。
姿をくらます時は、電動で走るって事かな?

一番端の物がカットモデルになっていて、中の構造が見えます。


エンジンは動いてないみたい。じゃあ、この低音はどこから?

エンジンの先のハッチを抜けると、
マネキンと、スクリューの模型が立っていて螺旋階段。


上がってみると、外に出た。潜水艦の一番後ろ

うーん。思ったよりも複雑。
もっと中はスッキリしているのかと思った。
この中に缶詰になって、物音を立てないように生活する。。大変だ
窓が無いって思った以上に苦痛かも。
潜水艦乗りは海軍の一番優秀な人ってのも納得でした。

   

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